NICUとはNeonatal Intensive Care Unitの略で、新生児集中治療室をいいます。早産や生まれつき疾患がある赤ちゃんを24時間体制で治療し、早く家族と一緒に暮らすことを目指す場所です。我が子がもしNICUに入院することになったら、親としてはどうすればいいのでしょうか。今回はNICUってどんなところ?ということから、NICUで親ができることまでを経験を交えて解説していきます。
NIUCにはどんな赤ちゃんがいるの?
低体重や重篤な状態で生まれた未熟な赤ちゃんはNIUCに入院します。NICUでは毎日赤ちゃんに担当看護士がつき、24時間体制でお世話してくれます。
赤ちゃんには心拍を確認する「モニター」という医療器具が付けられ、状態によっては人口呼吸器や輸液ポンプを付けることもあります。
私の子供(ゆう)も、2200グラムの早産で生まれ、その後1800グラムまで減ったため遠くの病院のNICUへ。生後2日目のことです。
最初は保育器に入っていたのですが、産後4日目でNICUからGCUに移動となりました。GCUとは新生児回復室のことです。NICUでの治療を乗り越え、状態が安定した赤ちゃんが過ごします。
GCUに移動すれば、お母さんは抱っこや授乳も可能。看護師さんにお世話の方法を教わりながら、退院を目指します。
NICUで親はどんなことができるの?
NICUの赤ちゃんは保育器に入っています。そのためオムツ替えや抱っこはあまりできません。保育器の窓から手を差し入れ、触れることしかできないこともあります。
NICUでの治療を乗り越え、GCUに移動するとお母さんはほとんどのお世話ができるように。主にできることは以下の6つです。
- 抱っこ
- 授乳
- オムツ替え/着替え
- 沐浴
- 搾乳
- 看護師や医師に相談
抱っこ
GCUに移動した赤ちゃんは、コットという小さなベッドに寝かされており、自由に抱っこができます。
私もゆうをゆっくりと抱っこできるようになったのは、GCUに移ってからでした。ゆうは生後2日でNICUのある別の病院に運ばれ、私も入院していたため、離れ離れになっていたのです。
私が退院し、初めて面会に行ったときはすでにGCUに移っていました。早産児は体力が十分ではないため、一日のほとんどを眠って過ごす子も多いです。
ゆうも昼間面会に行くとほぼ眠っており、抱っこがしたくてもできない、もどかしい気持ちになったことを覚えています。
授乳
GCUの赤ちゃんには、お母さんが直接授乳できます。授乳クッションも置いてあり、自由に使えますよ。ゆうの入院していた病院では、授乳の時間が決まっており、2時間に1回でした。
授乳は授乳室で行うのですが、早産児は体力がなく、哺乳力が弱いです。そのため授乳をしたくても眠ってしまい、かなり悪戦苦闘しました。
やはり親としては、たくさん母乳を飲んで早く大きくなってほしい思いがあります。そのためゆうの足の裏をくすぐって起こし、何とか飲んでもらっていました。
授乳の前後に体重を測り、それによって哺乳量がわかります。おおよそ2500グラムを超えたら退院なのですが、体重がなかなか増えず、増減に一喜一憂していました。
オムツ替え/着替え
面会中は自由にオムツ替えや着替えができます。当時ゆうの体重は2000グラムを少しを上下していたのですが、新生児用のオムツがブカブカでした。
そのためウエスト部分を折り返して使っていた頃が懐かしいです。退院後に~3000グラムまでのオムツを買ったのですが、ピッタリ具合に感動したのを覚えています。
服はコットンでできた白の入院着を着ていました。サイズは4キロの赤ちゃん用だったので同じくブカブカでした。保育器にいた頃は裸だったので、GCUで洋服デビューする赤ちゃんは多いです。
入院していた病院では、洋服の持ち込みができましたが、私はとくにしませんでした。
沐浴
赤ちゃんが退院しても困らないよう、沐浴指導が受けられます。看護師さんの指導を受けながら、沐浴に挑戦しました。
私が初めてゆうをお風呂に入れたのは生後16日目の時です。背中を洗う際に赤ちゃんの体を裏返すのですが、その動作が怖くて怖くて…。
つい看護師さんに、
…これって落としたらどうなるんですか?(ビクビク
と聞いてしまったのですが、
すぐに拾い上げれば大丈夫です♪
・・・・・・・・・・・・・・・・
あっさり言われました。やっぱりプロは堂々としているな~と感心したものです。
沐浴は3回ほど教えてもらいましたが、最後までビクビクしていました。看護師さんくらいの余裕が欲しいものです。
搾乳
ゆうの入院していたNICUでは、搾乳ができました。
母乳は冷凍したものを持っていくのですが、NICUにいる間(私は毎日8時間程度いました)にも母乳は溜まってきます。
そのため搾乳器が用意されており、自由に使っていいようになっていました。看護師さんに言えば搾乳器と哺乳瓶が借りられます。
搾乳器で絞った母乳を哺乳瓶に移しかえ、預けると保管してもらえるようです。ちらっと見た感じですが、名前を書いて冷蔵庫で保管していたようでした。
看護師や医師に不安を相談できる
子供がNICUに入院したことで、親のショックは大きいです。私も自分を責め、産後の入院中はずっと泣いていました。
NICUの入院中も、いつ退院できるかわからない不安や申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
実際、産後に保育器に入れられた赤ちゃんを見て泣き崩れるお母さんを何人か見ました。
周りには「産後に子供を預かってもらえてラッキーじゃん!」などと言われましたが、本当にストレスが半端じゃありません。
後で考えるともっと余裕をもって生活すればよかったのですが、当時は無理でした。
NICUで出会った担当医や看護師さんはとても優しかったのですが、私自身「もうあの場所に戻りたくない」と思う気持ちが強いです。
このように子供がNICUに入院した親の心は不安でいっぱい。そのため看護師さんや医師が、いつでも子供の状態に答えてくれたり相談に乗ってくれたりしました。
またカウンセラーの人が週に2回程度来ており、涙ながらに何かを相談しているお父さんを見たこともあります。
NICUでは赤ちゃんだけでなく、両親のケアもしっかりと行ってくれます。現場のスタッフはさぞかし大変だろうなと感謝しかありません。
NICUに母乳はどうやって持っていくの?
NICUへは冷凍した母乳を持っていきます。病院で保管してもらい、お母さんがいない時間に飲ませてもらうためです。
搾乳器を自宅でも用意したほうがいい?
そう思うかもしれませんが、私の経験上は必要ないと感じました。
私が搾乳をしていた方法は以下のとおりです。
- 100円ショップで計量カップを買う
- 熱湯で殺菌した計量カップに手絞りで搾乳
- 母乳パックに注ぐ
- 搾乳した時間や名前を書いたシールを貼り、冷凍保存
計量カップを使った理由は、どのくらいの量を搾乳したかを把握するためです。
病院で解凍された母乳は、余ったら捨ててしまうそうなので、できるだけ小分けにして冷凍することをおすすめします。
私は「1回につき30㎖飲む」と言われれば30㎖づつ冷凍していましたし、飲む量が増えてきてからも50㎖~100㎖の小分けにしていました。
母乳は保冷バッグに入れ、保冷剤を詰め込んで運びます。どちらも100円ショップのもので十分です。
NICUってどんなところ? まとめ
NICUでは専門の医師や看護師が昼夜治療に当たってくれます。
親は何もすることがなく、寂しい思いをするかもしれません。しかし赤ちゃんはお母さんが来ていることが分かっています。
また栄養たっぷりの母乳を与えられるのもお母さんだけです。私も入院中はいつ退院できるのかと不安な日々を過ごしていました。しかし周りのスタッフの手厚い看護のお陰で1カ月と少しで退院できました。
いつかNICUを卒業できる日は訪れます。先が見えない不安で今は辛いかもしれませんが、赤ちゃんと一緒に頑張りましょう。
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